【熱中症対策】経口補水液の作り方と注意点
珍しく薬剤師らしいことを書いてみようと思います。
猛暑が続き、熱中症対策としてOS-1などの経口補水液がよく売れているようです。
私の働く薬局でも大塚製薬工場(大塚グループの輸液部門)のOS-1と、味の素のアクアサポートの2種類の経口補水液を扱っていて、購入する患者さんも多いです。
そんな中、「売っているものは高いから自分で作る方法を教えて」という患者さんがいらっしゃって、作り方をメモでお渡ししました。
この手作りの経口補水液、勉強会などで聞いて作り方は知っていましたが実際に作って飲んだことはなかったので、自宅で作ってみました。
自宅で作れる経口補水液
自宅で作れる経口補水液の作り方を紹介します。
水 1リットル
食塩 3グラム
砂糖 40グラム
お好みでレモンなどを加えても良い
以上をしっかり溶けるまで混ぜるだけです!とても簡単ですよね。作ったら冷蔵庫で保存し、24時間以内に飲みきるようにしましょう。
1リットルは多いので、半分の500ミリリットルで作ってみました。1分もあればできます。
飲んでみた感想
飲むまでは、激マズなんじゃないかと思っていたのですが、意外とスッと入って飲めました。塩味が強いかと思ったら甘みの方が強く感じました。夫にも飲んでもらうと…
「激マズではないけど…飲みたくない味」
と言われてしまいました。この辺の感じ方は、当然ですが人によるみたいです。
経口補水液は脱水傾向があると美味しく感じると言われるので、私が脱水傾向だったのでしょうか?
経口補水液、手作りと市販の違いについて
手作りの経口補水液はシンプルな組成ですが、市販のものは成分表示を見るとわかるのですが、ナトリウムや糖以外にも、カリウムやクエン酸など様々な成分が入っています。経口補水液の主役は水分とNa、糖分ですが、市販のものは体から失われる様々な電解質や、吸収効率をより考えた組成になっています。OS-1の場合は、その組成は米国小児科学会の指針に基づいています。
市販の経口補水液もそれぞれ違う
市販の経口補水液はどれも同じというわけではなく、塩分濃度などが結構違っていたりします。例えば味の素のアクアソリタはNa濃度が抑えられており、脱水改善の面ではOS-1よりも効果が弱いため、OS-1よりもさらに初期の脱水や、脱水の前段階(水分が減っているが症状が出ていない状態)に向いています。味の素のHPにも、塩分低めの経口補水液であることが書かれています。それぞれの経口補水液の違いについては、詳しくは医師や薬剤師などに確認することをおすすめします。
経口補水液摂取時の注意
経口補水液は脱水があるときや、下痢・嘔吐があるときに飲むものです。作り方からもわかるように塩分濃度が高く、健康なときに日常的に飲むものではありません。
また、経口補水液は、血圧の高い方や医師からNa制限の指示を受けている方は注意が必要です。また、市販のものにはカリウムなど、その他の成分も含まれるため、体質や持病によっては注意が必要な場合があります。持病のある方は主治医の先生にご相談ください。
経口補水液には目安量があります
OS-1のボトルには乳児、幼児、学童〜成人それぞれの摂取目安量が書かれています。この量を目安に、過剰に摂取しないようにしましょう。
経口補水液を上手に活用して、上手に熱中症予防
経口補水液は、いくつか注意点がありますが、上手に取り入れれば熱中症予防などに効果があります。もしものときのために常備しておくと安心ですが、緊急時には簡単に手作りできるので、手元に経口補水液がないときにはお試しください。